ポキンと折れた #ナースの夜咄2

皮膚排泄ケア認定看護師を取得した頃は
まだ褥瘡委員会が病院にでき始めた頃

病院でもはじめての皮膚・排泄ケア認定看護師として
どのように働くか動くか決まっておらず
病院の看護部の協力はありながら
縦と横と斜めの人間関係のなか
あわあわしていた

同病院の偉い先生はやりたい研究が色々あった
褥瘡研究を看護師に広げる便利な役割を担うはずの私が
立場も空気も読まず
看護師負担になる書類を
増やすことに反対したりしていた
きっと腹立たしかったと思う

ある日年上の同僚が
嬉しそうな顔で近寄ってきて言った

「A先生(偉い先生)が  あの子は使えないって言ってたよ」

少しでも守りたい
一緒に頑張りたい
そう思っていた看護師の同僚から

明るい声で
いつもの笑顔で
無邪気な悪意で

告げられた言葉は
頑張ろうと踏ん張っていた

私の心を
ポキンと折った

#ナースの夜咄
仲間だと思っていた人に
後ろから刺されるのが
1番効くという話